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糖尿病(ダイアベティス)について

※「糖尿病」という呼称は、世界的に「ダイアベティス(Diabetes)」という名称に統一されつつあります。

糖尿病とは
健康な人では、すい臓で作られたインスリンが筋肉などに運ばれ、ブドウ糖をエネルギーとして利用します。
しかし糖尿病になると、インスリンの作用が不足することでブドウ糖をうまく処理できなくなり、慢性的に血糖値が高い状態が続きます。

糖尿病の種類
糖尿病は大きく以下の種類に分類されます。
1型糖尿病:インスリンの分泌がほとんどない状態
2型糖尿病:インスリン分泌の低下や作用不足が原因(日本人に多い)
妊娠糖尿病・その他のタイプ:妊娠中や特殊な原因によるもの

血糖値とヘモグロビンA1c
血糖値は食事のたびに変動します。そのため、過去の血糖コントロール状態を把握するための指標としてヘモグロビンA1cを用います。
ヘモグロビンA1cは過去約3か月間の血糖の状態を反映します。
基準値:6.2%以下
健康診断での正常値:5.6%未満

糖尿病治療の基本
糖尿病を治療し、血糖値をコントロールすることが大切です。
診断された場合は、必要に応じて教育入院をご案内することもあります。
治療の基本は次の3つです:

  1. 食事療法
    栄養バランスの良い食事を心がけましょう。1日3食を規則正しく摂ることで、血糖値の変動を少なくし、動脈硬化の進行を予防できます。
  2. 運動療法
    散歩などの有酸素運動を継続的に行うことで、血中のブドウ糖を効率よく消費し、血糖値を改善します。
  3. 薬物療法
    状態に応じて、内服薬やインスリン注射を使用します。近年では、GLP-1受容体作動薬が選択されるケースも増えています。
    1型糖尿病の場合は、インスリン注射が治療の中心です。

主な内服薬の種類
インスリン分泌促進薬:すい臓からインスリン分泌を促す
α-グルコシダーゼ阻害薬:腸管での炭水化物吸収を遅らせる
SGLT2阻害薬:腎臓でブドウ糖を尿中に排出

糖尿病による主な合併症
糖尿病は放置すると、以下のような合併症を引き起こすリスクがあります。
・糖尿病網膜症
・糖尿病腎症
・糖尿病神経障害
・心筋梗塞・脳梗塞などの血管疾患
眼科や他科との連携も必要です。

低血糖と高血糖への注意
体調不良で食事がとれない場合や、嘔吐・下痢症の際には低血糖のリスクが高まります。
その際は、治療薬を一時的に休薬することもあります。
低血糖症状が出たときは、砂糖をなめるなど応急処置を行い、すぐに主治医へ連絡してください。
また、高血糖状態が続き昏睡に至る場合もあります。異常を感じたら早急に受診してください。

健康寿命を延ばすために
糖尿病を適切にコントロールすることで、合併症を予防し、糖尿病でない方と変わらない健康寿命を目指せます。早めの受診と継続的な管理が大切です。